我が家のカンモ君☆ときどき緘動

場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)の息子との日々を綴るblogです。

10月初め運動会

運動会は一切楽しみはなく、不安だけでした。
9月にあった予行練習を覗きに行ってみると、やっぱりちゃんと出来ていました。
どれがかんも君なのか見つけるのが大変なくらい、みんなと馴染んでいて、全部全部普通に出来ていました。
かけっこも断トツ一番‼
カラーガードもOK‼

でも本番はたくさんの保護者が見ています。
園庭も狭いので、私でさえもとても圧迫感を感じます。
本人に話を聞いてみると、かけっこは楽しみと不安が入り交じった様子。
カラーガードには少し抵抗がある様子。
かんも君の話し方や、私の問いかけを聞く様子や表情、雰囲気から、何となくそんな感じを受けます。
ただ当日は、かけっこは身体が動かなくなっちゃうかな?
カラーガードはみんなにつられて何となく動けちゃうんじゃないか?と予想していました。

当日は早めに行って、他の子達の出番を見ていました。
その時から行きたくないオーラを出し始め、集合時間が近付くとトイレの連続。
かんも君にかなりの負担がかかっているのが伝わってきます。
それでも何とか先生に引き渡し、入場も何とかクリア。
去年は入場は動けなくて先生に引っ張ってもらっていたから、ここでも成長が見られました。

でも、みんなで平均台や鉄棒をやる第一種目は撃沈。
泣いて全く動けず、先生に抱っこしてもらい移動…
見ているだけで涙が溢れ胸が苦しくなります。
それでも退場は何とか自力で動いていました。

二種目めはかけっこ。
表情はかたいながら、自力でみんなと入場。
予行では出来ていた「えいえいおー」は出来ず、表情を見る限り走れないだろうなと思いました。
今回の運動会も恥ずかしいから見られたくないとのかんも君の意思を尊重し隠れて見ていた為、スタート位置は良く見えず…
「よーい…パン」の音でスタート場所を見たら、誰もいない…
先生とも走れずに脇に避けられてしまったのかと思って探していると、第4コーナーをトップで駆け抜けるかんも君の姿が見えました。
何が何だか全くわからず、頭が真っ白になり、直後に震えてきて大号泣。
かんも君が本番で走れた。
しかも一番で。
ゴールして笑ってる。
とっても嬉しそう。
パパもジジババもみんなみんな泣いていました。
信じられない。
走れた。走れた。走れた。
今思い出しても涙が出てきます。
直前までグニャグニャしていて、とても走れる雰囲気ではなかったのに。
どんな気持ちで走ったのか、私には想像も出来ないです。
頑張った。本当に本当に頑張った‼

この頑張りを見られたから、カラーガードは大丈夫かと思いきや…泣いてしまい、カラーガードも手放して立ち尽くしてしまいました。
先制の補助があり、後半は泣きながらだけどほんの少しだけみんなと出来ました。
期待してしまった分、私もショックだったけど仕方ない。
人前で躍りのような身体を動かすのは特に苦手なようです。
…と思っていたのですが、最後に全園児での躍りは手を動かして少し躍れていました。
う~ん…まだまだ理解出来ないことがたくさんあると思いました。
難しいです。

運動会のビデオや写真を見返してみると、かけっこのスタートや走っている時、入退場、カラーガード、観客の前を通る時にはしっかりと下を向いたりギュッと目を瞑ったりしています。
私が「人がいっぱいで怖かったら下を向くんだよ。それでも怖かったら目を瞑っちゃえば大丈夫だからね」と再三言っていたのです。
きっと胸がドキドキして苦しくて怖かったんでしょうね。
忠実にその言葉を守っているかんも君の姿を見た時、私にはわからない程の頑張りをしたかんも君に本当に感動しました。
どれだけ怖かったんだろう?
どれだけ不安だったんだろう?
下を向いて薄目で歯を食い縛り泣きそうにスタートをきっていたかんも君。
目をギュッと瞑り必死でカラーガードのポーズをとっていたかんも君。
そんな必死な顔を見たら、親として何とも言えない気持ちになりました。
何としてでも、かんも君の場面緘黙を克服させてあげたいと強く思いました。

本当に考えさせられる運動会でした。
そしてあんなに必死で頑張ったかんも君の強さを知りました。
私が不安を感じている何十倍、何百倍もかんも君は不安を感じているのに、それでも必死に一人で立ち向かったかんも君。
素直に愛おしいと思いました。
一人で頑張った競技と、パパと一緒に参加した親子競技との表情の差。
いつか、何でも普通に楽しめるようになれたらいいなと思います。
楽しいことなのに楽しめない。
必死で頑張らないと身体が動かないなんて、そんなの辛すぎます。
少しずつ少しずつ、色んな経験を積んで、自然に身体が動くようになって欲しいです。
全部は出来なかったけれど、必死で頑張る強さを学んだかんも君の運動会でした。
運動会でも大成長‼
私もまだまだ頑張らなければ‼

だいぶ前の夏祭り

今の一番の悩みは精神的に浮き沈みの激しいこと。
かんも君ではなく、母親の私が。
それでも今は比較的に落ち着いている方なのかな。

8月にあった幼稚園の夏祭り。
雨の為に盆踊りは中止。
ホッとしたような…経験値がGET出来なかった勿体なさがあるような…
かんも君の雰囲気で、盆踊りは出来ないだろうなとの確信があったのです。
でも経験をする事で来年に繋がればとの思いから、やっぱりあった方が良かったのかな?
でもかんも君の例のあの姿を見るのは、かなり辛かっただろうしな…と、どうにもならない事に考えが巡りグルグルグルグル。

クラスごとのお神輿は、嫌がるかんも君を何とかクラスの場所に置いてきたものの半泣きで脱走。
先生から、パパも一緒にとのお呼びがかかってしまいました。
本人に「嫌なら帰ろうか?」と問いかけるも「やりたい」との意思表示。
やりたいのにやれない。
手が出せない。
身体が動かない。
見ていてこんなに辛い事はないと心底感じます。

パパと片手を繋ぎ、もう一方の手でお神輿に触れる。
全園児の中でたった一人だけパパと参加でした。
それでもいいんです。
年少さんの頃は無理矢理お神輿を掴ませた片手が、今年は自分から触れられたから。
小さな?大きな?進歩です。
周りの目が気にならないかと言ったら…実際は相当気になります。
そういう部分も本当に辛いです。

でも今年は、ゲームがフォローなしで一人で出来ました。
ボーリングをしたり、スーパーボールすくいをしたり。
そしてお友達と一緒にかき氷を食べたり、スタンプラリーまで回ってきました。
お友達との交流の仕方が目に見えて成長しているんです。
お友達と笑えること。
喋れること。
追い掛けっこをすること。
それを見ているだけで成長ぶりに涙が出てきます。
まだまだ出来ないことはたくさんあります。
でも出来るようになった事もたくさんたくさんあります。

辛い部分もあり、嬉しい部分もあり、色んな感情を味わった夏祭りでした。
最後はお友達と駐車場まで一緒に帰り、複数人で写真撮影。
去年では全く考えられなかった事です。
お友達と交流出来るようになってきた事が、一番成長に繋がっている気がします。
かんも君には楽しい思い出になったかな?

やっと一段落

精神的に追い詰められ追い詰められ…もう駄目だ限界だと思いながら、やっと少し復活できました。
夏祭りが終わり、運動会も終わったからなんですが(^-^;

記録用に書きたい事がたくさんあるけれど、なかなか文章を書く気力がありませんでした。
イベントが一段落し、辛かった事、嬉しかった事、考えさせられた事、たくさんたくさんあります。

私は不妊治療をしていた経験があるのですが、その時の事がなんだか場面緘黙と似ている部分があると思ってしまいました。
これからどうなるのか、先が全く見えず、時々真っ暗やみにいるように感じてしまう時。
ちょっと嬉しい事があっても、それがゴールではない時。
どうして自分達がこんなに辛い思いをしなければならないのかと思ってしまう時。
思う通りにならず、どうしていいのかもどかしい時。
他人を羨ましく思ってしまう時。
どうして…どうして…どうして…どうして
考えてもわからないけれど、今ある現実を受け止めて、出来る事をやっていくしかないのだけれど。

それでもやれる事があるというのはありがたい事なんだと思います。
真っ暗やみで何も見えなくなってしまっても、歩き続けていれば光は見えるのかな?

しんどい

数ヵ月ごとに本当に立ち直れなくなるくらい気持ちが下へ下へ沈んでしまう事があります。
今はそれの真っ只中。
何もやる気が起きず、ただただしんどい。
辛い。
なんとなく理由はわかります。
夏休み中にあった夏祭りが原因…
他にも思い当たる節は多々。

だから強くなりたい
息子を信じて前だけを見て頑張りたい
でも今は辛い

こうなると自分ではどうにも出来ない
助けて欲しい
今までの色んな事が頭をぐるぐる回り続ける
逃げ出したくなる
楽になりたい
どうすればいいんだろう

お泊まり保育☆

思い立った時に、どんどんとblog書いちゃいます。
記録の為に。
自分自身が振り返る事も大切だし、同じように場面緘黙症で悩んでいる誰かがこのblogを読んで、何かしら感じてくれるものがあったら嬉しいです。

先日、夏休み中にお泊まり保育がありました。
年長になった時のお泊まり会の為の練習なので、夜まで楽しんで帰ってもいいし、そのまま幼稚園でシャワーを浴びてお泊まりしてもいいというイベント。

親としてはお泊まりして欲しいけど、カンモ君自身はどうなのか?
とりあえず楽しさを目一杯アピールし、新しいパジャマを買い、仲良しのお友達も一緒に泊まるとプレゼンし…泊まりたいという方向に仕向けました(笑)

そして夏休み中にその日だけ幼稚園に行くとなると、また拒否反応をおこすのではないかと思い、お泊まり保育の日までは預かり保育を利用していつも通りに幼稚園に通い続けました。
それでもいつものバス登園ではなく送り迎えだったので、雰囲気の違いにとまどい行き渋りやグズりなどはかなりありましたが…。
やっぱりこういう時に、環境の変化は本当に苦手なのだと感じます。

当日の問題は先生と喋れないため、何か変わった事があった時に大丈夫かどうかでした。
予め先生と相談をし、不安を感じている場合のカンモ君の状態などを伝え、何かあったらすぐに迎えに行くという事にしました。

でも親の心配をよそに、すごく楽しんで帰ってきました。
後日写真をもらったのですが、初めてみんなと同じポーズをとって写っていました。
ピースをしていたり、おやすみのポーズをしていたり…
幼稚園に入った最初の頃は写真に撮られるのが苦手で先生に抱っこされ、だんだんとみんなと並んで写るようになっても顔は独特の不安顔。
最近では表情が和らいできたと思っていましたが、どうしてもポーズだけは出来ませんでした。
それが、みんなと同じポーズを‼
急に成長してしっかりと逞しくなったように思えました。

イベントの様子も写真を通して伝わってくるので、お泊まりさせて良かったと本当に心から思えるイベントになりました。
カンモ君も自信がついたんじゃないかな?
少しずつ、カンモ君の出来る事が増えてきています。
新しいことに挑戦するには事前準備や慣れるまでの時間が人よりもたくさん必用ですが、それでもかなりの成長を感じます。
これからも色々な事に挑戦させ、経験値を増やしていってあげたいと思います。

三峰神社

余談なんですが、埼玉県に三峰神社という所があります。
お願い事が叶うという…
毎月1日にだけ特別に白いお守りが販売されるので、4月1日に行ってきたんです。
駐車場に入るまでに2時間以上…

でも無事に白いお守りを手に入れ、御神木でもお願いをしたり、カンモ君も絵馬を書いたり、たっぷりと神頼みをしてきました。

今回使ったのが、この三峰神社で手に入れたお守りでした。
我が家にとっては特別なお守りになりました。

悩んでいる時には神頼みもしたくなります。
場面緘黙は本当に先の見えない戦いになります。
1つ出来たら、次のその先を望んで不安になってしまいます。
頼れる物には頼りたい。
すがれる物があるならばすがりたい。
努力が必ず報われるのなら、どんな努力だってするのに。

7月1日

最初は男の子の一部としか喋れなかったカンモ君ですが、少しずつ女の子とも喋れるようになってきたそうです。

私がやっている事は、朝のバスがお迎えにきた時の「おはようございます」←まだ言えないので、私が元気に言う。カンモ君は頭をさげるだけ。
「いってきます」←最初は小さい声だったのが、段々とバスに乗り込む時に声を掛けるようにしてバスの中でも声が出せるように。
(いってきますよりもただいまの方が声が出せるようになるまで時間が掛かりました。なぜだろう?)
バスに乗ってから手を振る←緊張している時には動けないので手を振る事で動かせる。

そして一番考えていたのが出席の時の「はい」というお返事。
何とか卒園までにはお返事が出来るようになって欲しいなと思っていました。
本人に「いつからお返事する?」と聞いたら「7月から」との返答。
まず7月1日に一回目の挑戦をしてみようと思い、6月末からもうすぐ7月だと意識させるようにしました。
当日、この日の為に買いに行ったお守りを出し「ママがお返事が出来る魔法をかけてあげる」と言い、声が胸の辺りから喉を通り口から出るイメージをカンモ君につけました。
そして不安や緊張を感じると肩に力が入ってしまい前屈みになってしまうので、後ろに沿って胸を張るようにマッサージをして身体をほぐし、ドキドキしたらグイーンって胸を張るように伝えました。
お守りはしっかりと幼稚園の鞄に入れて。
でも当日のカンモ君は「頑張るぞ‼」という感じは全くなく、恐らく駄目だろうなと思っていたんです。
ここであまりしつこくしてもプレッシャーがかかると思い、駄目なら次のきっかけを作って挑戦しようと思っていました。

帰ってきたカンモ君に何気なく聞いてみたら「出来たよ」と。
ん?と思い聞き直すと「お返事出来たよ」と。
「蟻さんくらいの声だけどね」と。

その日、先生からも電話がありました。
前もって連絡帳に書いていたので、朝 先生からも「今日から7月だから元気な声でお返事しましょう」と声かけをしてくれたそうです。
小さい声だったけれど、きちんと先生にも聞こえたので、周りの子供達にももちろん聞こえてはいたけれど、誰も過剰な反応はせずにそのまま過ぎたと聞いて安心しました。
「カンモ君が返事した~」と騒がれてしまう事が本人も一番嫌だろうから、本当に良かったです。

ジワジワと嬉しさが込み上げてきて、何とも言えない気持ちでした。
良かった。本当に良かった。
良く頑張った‼えらい‼
たくさんたくさん誉めました。

どんなに小さな声でもいい。
声を出そうとしたこと。
返事をしようとしたこと。
「はい」って言えた。
自然な流れではなかったかもしれない。
本人が声を出そうとして頑張って頑張って出した声。
そのやり方が良かったのかどうかは実際わからないです。
カンモ君には負担だったかもしれないから。
でも今でも順調に返事が出来ているので、良かったのではないかなと思えます。

今もまだ蟻さんのような小さな小さな声だそうです。
それでも充分。
続けていく事が大切だと私は考えています。
ずっと続けていけば、ほんの少しずつでも大きな声になっていくかもしれない。
いつか、クラスで一番大きな「はい」が聞けたらいいなと思います。
人の目があると出来なくなってしまうから、保育参観とかではまだまだ返事が聞けるのは難しいだろうけど、いつか…きっと。